スターゲイザー

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Featured in: 徒
track: 6
arrangement: RD-Sounds
lyrics: RD-Sounds
vocals: めらみぽっぷ
original title: 恋色マスタースパーク
length: 06:24


◇概要

『徒』に収録されているスターシリーズ第二弾。『スターゲイザー』の意味は”STAR GAZER”の和訳通り、“星”スター“見る人”ゲイザーとなる。

もし、星を追う者が追う目標を失くしたとしたら。いつか超えたい、いつか見返したい、そう目指していた目標を突然に失ってしまったら、公式で努力家とされる『霧雨魔理沙』が何を感じ、何を抱かえ、そしてどのようにして飛ぶのか。

歌詞に登場する『霧雨魔理沙』の目標であった『あなた』、曲中の『霧雨魔理沙』の心情はどのように変化していくのか等に注目して、ゆるく読み解いていきたいと思う。


◇『あなた』という呼び方

きっと、全ての始まりになったのは、
あなたという存在のせいだと思うが。

歌詞中の『あなた』という呼び方に違和感を覚えた人がいるのではないだろうか。原作STGにしても、公式書籍にしても、二次創作にしても、普段の魔理沙が『あなた』という二人称代名詞を使っているイメージがない。実際は『東方紅魔郷』stage5にて魔理沙が咲夜に対して「ってことは、私があなたを倒せばメイド長ってことね」と言ったことがあるので『あなた』を全く使わないわけではないらしいが。それはともかく、原作STGや公式書籍において、魔理沙が使う基本的な二人称代名詞はよく知られている通り『お前』であり、『あなた』を使うことはほとんどないのである。ではなぜ『あなた』なのか。

『あなた』という言葉の語源は、離れた場所、あちらのほう、といった意味がある『彼方』という言葉であり、『彼方』と書いて『あなた』と読む場合もある。『お前』という二人称代名詞と比べると少し丁寧な言い方になり、少し距離を感じるようなそういったニュアンスになる。

遠い憧れのその輝きは、
遠いからこそよかったのかも知れない。

歌詞中に度々ある”遠い”という形容詞。たとえ近い親しい存在であっても、手の届かない遠い存在になってしまえば、魔理沙が『あなた』を使う理由になると考えられ、永遠の目標になってしまった『あなた』へ敬意を魔理沙なりに表しているのかもしれない。

しかし、ただ単に魔理沙が精神的に大人になったことで、口調が変わっただけかもしれない。これに限らず凋叶棕の楽曲は色々な解釈が可能なのである。


◇『あなた』は誰なのか?

はなだひょうさんによるとブックレットに流れる白い煙は火葬の煙であるという。どうやら魔理沙が『あなた』と呼ぶ人物は最近亡くなった人物であるようだ。『あなた』とは誰であるのか。原作に登場する人物を挙げ、仮説を立てていく。

この世には二種類の巫女がいる。
極端に短命な者と、極端に長寿な者だ。

やはり『博麗霊夢』が真っ先に出てくる人が大多数ではないだろうか。上記のセリフは『東方花映塚』博麗霊夢vs小野塚小町の小町側の勝利セリフである。もし霊夢が極端に短命な巫女であったとして、若くして亡くなる運命ならば、ブックレットに描かれた若い魔理沙の姿にも説明がつく。また、『捨虫の魔法』を魔理沙が使っていたと仮定すれば霊夢が長寿な巫女であったと考えることも可能だが、突然に亡くなったという描写なので、その仮定では少し疑問が残る。

また、『東方香霖堂』単行本第3話には「勝負は大体霊夢の方に分が有る」、第19話には「霊夢に負けがち」という記述があり、霊夢は魔理沙にとって勝ち越せない相手であることが分かる。もちろん、今挙げた例だけでなく他にも魔理沙よりも霊夢が優勢であることが読み取れるセリフがたくさん存在する。霊夢に勝ち越されたまま置いてけぼりになってしまった魔理沙を考えれば、その悔しさは想像に難しくない。こういった霊夢に対する魔理沙のビターな心情表現は二次創作において人気が高いこともあり、自然でスタンダードな解釈として『あなた』=『博麗霊夢』がある。

もうひとつアナザーな解釈。とうの昔に勘当されている魔理沙が見返したい相手は父親である、『あなた』=『霧雨の親父さん』という仮説を紹介する。

既に年老いているであろう親父さんは、僕を認識出来るだろうか……。
里の人間は歳を重ねると成長し、老けていく。

『東方香霖堂』単行本第20話の霖之助のセリフによれば、『霧雨魔理沙』の父親、大手道具屋『霧雨店』を営む『霧雨の親父さん』は既に年老いている身らしく、魔理沙が若い内に亡くなったとしても特に不自然ではない。また、父親への対抗心により『霧雨魔法店』を営むに至ったとも考えられ、全ての始まりになった『あなた』=『霧雨の親父さん』、という解釈にも無理がない。ただし、原作には魔理沙が父親を目標している旨の記述はなく、蓋然性は低いため、解釈としては『博麗霊夢』に次ぐ形になるだろうか。


◇恋色マスタースパーク

この空の広さの下で。
ときどき、無性に消えたくなる時が、あるんだ。

『スターゲイザー』は鬱屈とした雰囲気で始まる。めらみぽっぷさんの歌い方もシリアス調であり、魔理沙の楽曲にしてはやや大人っぽい印象を受ける。時折入る悲しげな「ラーラーラー」のバックコーラスはまるで魔理沙の心の叫びのようである。1コーラス目、2コーラス目にはアレンジ元の原曲『恋色マスタースパーク』が積極的に使われておらず、分かる部分はBメロ直前くらいだろうか。2コーラス目サビまでは、まだ魔理沙は俯いている。

虚しくて、ただただ悔しくて、わけがわからなくなって、
わたしはどうしたらいいんだって、叫んでも、誰も。

叫ぶ魔理沙。叫べば、自然と顔は上を向くはず。

…星が。高い。
…星が。遠い。

上を向いた魔理沙の視界には、星。

あの全ての中のひとつに、あなたもいるのだろうか。
ならばと、睨みつけるのは、「スターゲイザー」ほしをみるひとたるわたし。

星を見る魔理沙。耳をすませば『恋色マスタースパーク』のピアノが・・・。

どれほど、俯いたとしても。
捨てられないんだ―!
ずっと遠い道でも
ずっと高い道でも
足止めることだけは、けしてできない。

『恋色マスタースパーク』。魔理沙が”普通の魔法使い”らしさを取り戻したと同時に歌われる”普通の魔法使い”らしいメロディー。もうあの悲しげな「ラーラーラー」はもう聴こえてくることはない。

凋叶棕では、原曲のメロディーが分かりにくいアレンジがしばしばある。この『スターゲイザー』では登場人物の心情の変化に合わせて、あえて原曲のメロディーを分かりにくくしたり、かたや原曲のメロディーを思い切り前面に出したりと原曲の聴き取りやすさを変化させている点が面白い。


◇ブックレット

星を見上げ箒に跨り星空を飛ぶ『霧雨魔理沙』、『火葬の煙』、そして『満月』。隣の『be your shield』と絵が繋がっている。『火葬の煙』は歌詞中の『あなた』のものなのだろうか。イラストは『綜纏Vol.3 三怪奇』に収録されており、落丁なのか仕様なのか不明だが、なぜか綜纏とブックレットと見比べると綜纏の方には『満月』がない。


◇雑記

名曲『スターシーカー』の続編と言っていいのだろうか。『スターシーカー』を土台に新たな”if”を唱えた上で『霧雨魔理沙』らしさを表現した全く別の曲と言えばいいのだろうか。ひとつ言えることとしては、この曲はなんだかんだで、最後には光だということだ。スターシリーズの楽曲は共通して『恋色マスタースパーク』か『恋色マジック』を原曲としており、そのメロディーはしっかり聴き取りやすくなっている。逆にスターシリーズ以外の『curse upon me!』や『落日ロマンス』等の楽曲では、恋色のメロディーがあまり主張されていないように聴こえる。

『徒』の楽曲はなかなか憎い並び方をしており、『スターゲイザー』の次の曲が華々しいアリスだったり、その次の曲がカッコいい霊夢だったりと謎のコントラストがある。このマリアリ霊夢のそれぞれの楽曲ではキャラクターの未来を描写されているだけに、どうしてもこの並びが気になってしまう。(※やはり狙ってやっているようだ→https://ask.fm/rdwithleaf/answers/66577527065

最後に、RDさんのつぶやきをペタペタと貼っておく。

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