東方三次創作本『或いは標本へ憶いを馳せる』の感想

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2018年11月11日開催の『第8回 求代目の紅茶会』にて頒布された、サークル『HOSENROCK』/culotte様ご執筆の『或いは標本へ憶いを馳せる』を読ませていただきました。

なんとこの本、『音』収録の楽曲『忘らるる物語』を題材にした三次創作でして、それならばと思い、軽率ながら感想を書かせていただきました!

特設サイトはコチラから。購入はメロンから。

例によってネタバレありですので、是非読んでから読んでくださいね。あと『音』も買って聴いてね。


◇ファーストインプレッション

先日、みやこめっせにて開催された所謂”京都合同”なるイベントに一般参加して参りました。

参加者の皆様の本をたくさん手に取らせていただいたわけですが、その中でもこの『或いは標本へ憶いを馳せる』という本は凋叶棕の三次創作という事で感想を書かねば!と思いつつもブログに書くかfusetterで書くかは割と迷ってました。

ですが、読み終えた瞬間、なんかもう阿求ちゃんへの思い -OMOI- が溢れてきたので感想ブログで書くか!独占記事!となったのです。

ということで早速感想を書いていきます。

culotteさんのスペースにて本を受け取った時に「おやっ」と感じたのですよね。

そう、紅白の水引。

・・・水引?

それに紅白のやつ?

割と不穏なサンプルだったので紅白の水引を見てハッピーエンドへの期待、しかし同時に得体の知れない何かを少し感じました。

紅白五本あわじ結びの水引は割となんでも使えて便利ですよね。実は私は関西産まれなもんで結び切りとあわじ結びを使い分けているのですけども関東では使い分けはないらしいです。

まあ紅白なのでなにかおめでたいことがあきゅすずを待っているのでしょう。

あとですね。本が紅白のデザインなので、紅白の水引が違和感なくマッチしていて表紙の”長さ”も相まってお洒落なご祝儀袋のよう。

飾る時は本棚に仕舞うよりも立て掛けて飾る方が良いかもしれないですね!

では水引を上に上にと、ずらして外します。あっ、下にずらす派の人は下にずらして下さいね?

外したので読みます。

(只今、人の少ない駅のホームで志津屋のカスクートをかじりながら読んでいます。一読目です。)

・・・し、死期映姫ちゃん。

あっ小鈴ちゃんかわいい・・・。

ほうお父様・・・。

なるほど・・・!

おあああ

ああ

そういう・・・。

!!!

!?!?!

あっ小鈴ちゃんかわいい・・・。

・・・。

あぁ!

読みました。

読みましたよ。ええ。

さて。

あきゅすずというカップリングを『忘らるる物語』の歌詞に当てはめたお話のようです。

阿求と小鈴の愛の思い出。

すべてを記憶する阿求にとって、それらすべては鮮明な記憶。

小鈴の声も。目も。感触もすべて。音えている。のに。

美しき忘れえぬ物語を小鈴は”やんちゃ”と呼んだ。

小鈴にとって”やんちゃ”した過去の出来事でしかなかった。

小鈴はあの頃の思いを忘れてしまったのだろう。

私が愛したあの小鈴はもう小鈴そのものではない。

それならば小鈴との愛の日々をいっそのこと忘れてしまえれば・・・。

といった感じの導入です。

うーむ・・・。(考え中)

稗田家の事情による、なかば強制的な別れであったことが要素として大きいような気がしますね。

第三者によって二人の関係にメスを入れられた事実を示すことで、当時お互いの思いは変わらないままに別れていたことが読み取れます。しかし、残酷にも小鈴の思いは変わってしまったのでした。

これがお互い納得した上での破局ならまた違った結末だったのかもしれません。

ねぇ…
本当にそう思うの?

いやだがしかし、しかし、この本のラストシーンを読むと、結局は同じ結末を辿ったのではないか、とも思えてくるのですよね。

小鈴も阿求と同じように行き場のない思いを忘れたかったのだと。手に持つ包みは愛した人が書いた本であるのだと。もしそうだったのであればこのラストシーンはこの作品の救いでもあり、悲劇の種でもあるのだと。

そう思いたいのです。

私自身も、愛した人のことをそう簡単には忘れられないものだと信じていたいですし・・・。

先述の水引ですが、あとがきにおめでたいことが書かれており、私とても納得。

あとがきを読む前。阿求への弔いのための白黒ではなく、阿求への転生祝いのための紅白なのかなとは考えていました。でも転生祝いだと何度も続くようにと蝶結びの水引がいいのかも。

兎にも角にも、culotteさんおめでとうございます。

こういった形にできるのも同人の素晴らしいところだと思いますね。


◇考えたこと

①標本の作り方

皆様は標本を作ったことがありますか?

私はありますね。亡き祖父と一緒に取ったカブトムシを標本にしたんです。

動かなくなったカブトムシの躰を綺麗に洗って、お湯につけて体を柔らかくさせて、形を整えながらコルクの板にピン止めし、乾燥材と一緒に容器に入れて乾燥させる。

子供の頃の話ですが標本を作った事はよく憶えています。段ボールに白い紙を糊付けしただけの思い出プレートに「タコ公園でおじいちゃんと取った」なんて書いていましたね。

そうです、思い出をそのままにするために標本にするんですね。

でも、いつの頃からだったかは定かではないですが、そんな標本の事なんかすっかり忘れてしまっていて、大学生の頃に祖母からそんな話を聞いて思い出しはしたんですが、その標本がどこに仕舞ってあるか或いは捨てられていたのかも未だに分からないんですよね。

だからどうしたっていう自分語りですが、本のタイトル通りに憶い馳せてみました。

そういえば『音』のジャケット、皆様は憶えていますか?

あれ。一目見たら忘れられないですよね?シーラケースにピン止めされた阿求の標本です。

標本はスナップショットのような刹那的な記憶の断片であるならば、

あれ。誰の記憶だと思いますか?

この疑問への答えこそ、『或いは標本へ憶いを馳せる』という本の中で一番唸らせられた部分です。

『音』のディスクを外した後ろに見えるバックインレイもラストシーンのその後を思えば・・・。そして、ディスクを外してから最初に聴くことになる『失われし記憶』という楽曲タイトルも・・・。し、しかも表紙の小鈴ちゃんが伏線になってる・・・!

これ。本当にすごい着眼点だと感じます。目から鱗符「スケールウェイブ」です。

いやぁ素直に降参です!参りました!

②稗田家の転生

代々続く稗田家の転生システムについては諸説ありますよね。

跡継ぎを残すことも御阿礼の子の役目とするのかどうか、です。

私の脳内では、御阿礼の子の身体は閻魔が用意した特注品であり跡継ぎを残す必要がない、というイメージがあります。

稗田家は百数年に一度生まれてくる御阿礼の子を支援するために存続しており幻想郷縁起の保管及び普及に務めている、御阿礼のいない時代は稗田家の血を引き継いだ長が当主と成るが例外的に御阿礼の子がいる時代では御阿礼の子が当主と成る、閻魔が用意した特注品なので阿礼の魂が持つ求聞持の力に耐えられるようにチューニングされている、みたいなことも考えたりです。

ただし、御阿礼の子の身体は閻魔が用意したとしても、稗田家にとって御阿礼の子の血は貴重なので稗田家の人間と子を設ける風習がある、という捉え方もできるかもしれないですね。

古くから続く由緒正しいお家なので、意図の分からない風習があってもおかしくないでしょう。

あとは、”お父様”をどう考えるかですね。あるとすれば阿求が生まれる前の時代の当主ですかね?

こういうの、楽しいですよね。

公式記述と脳内設定と別の人の解釈を照らし合わせてみるのが癖になってまして、こんなことも考えたりしました、っていう紹介になります。

③四季映姫・ヤマザナドゥ

四季映姫・ヤマザナドゥの最後のセリフ。

「阿礼」あなた

えーっと、そもそも地蔵って飛鳥時代にあったんでしたっけ?まぁ幻想郷の世界観が私達の歴史とマッチしているとは限らないのですが。

でも、どうでしたっけ?

(地蔵の歴史をおもむろに調べだす筆者)


◇あとがき

ハッ、もうあとがき!地蔵の歴史を調べるのはこれまでにしておきましょう。

あとがきにあとがきの事を書きますと、あとがきに『求心症』という動画の話が出ていました。

私も知っています。知っていますとも。

実は『求心症』の動画制作に参加されていた(で、よかったですよね?)NUMBさんという方の動画が私好きでして、その方の作る非東方の楽曲に東方のPVを付ける動画をよく視聴していました。作品は多くはないですけども心に響く動画を作られていますので興味がある方はぜひ調べてみてください。あえてリンクは張りません。レッツ・コンプライアンス。

あと、上で書き忘れていたのですが、”穴”について。

ここも唸らせられた部分ですね。「胸にぽっかり穴が開く」という一般的な比喩をあんな形で表現されるとは・・・。それにしてもしんれいびょうはじゃあくなそしき・・・。たいしさまのあのかお・・・。じゃあく!

・・・。

『或いは標本に憶いを馳せる』。

アルバム『音』と『忘らるる物語』に含まれた要素要素の拾い方がとても面白い作品でした。

あと、小鈴ちゃんかわいい。かわいくない?

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