【C97】RDWL-0030『彁』感想

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凋叶棕C97新譜『彁』を聴きましたので感想を書きました。

ご購入はメロンから↓
https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=593642

本記事には軽率な内容・変態解釈・電波・LOVEが含まれております。ストレートに言うと「キモイ」ので注意してください。

もちろんネタバレがありますので、この記事を読まれる前にとにかく聴いてください。


◇30番目にしてテーマが「幻想」!

現在より約10年前。2009年12月30日。コミックマーケット77。

サークル凋叶棕より頒布されたアルバム『宴』から始まったRDWLというナンバリング。

そんなRDWLナンバリングの10年目にして30番目のナンバーを与えられた今作。

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そのテーマは「幻想」。

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「幻想」は東方Projectにおける大きい主題のひとつです。

故にとても難しいテーマです。「幻想」ってもうなんでもありですよね。幻想郷という世界の名、そこに住まう幻想少女たちはみな「幻想」と言えます。どんなキャラもロケーションも出せるのですよね。「幻想」って。

しかし、このアルバムの「幻想」はただ普遍的な「幻想」を示すだけではなく、おそらくプレイヤーの見る「幻想」を主題としているのだと思います。

「幻想」に対する哲学。その思想。呪い。

RDWLの集大成。究極の一枚。それが、『彁』。

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過去最高にキマっているアルバムだと思います。呪い多め、重めです。

簡単に言うと、東方ファンの精神にダイレクトアタックをしてくるタイプの曲が多い感じです。故になかなかに、つらい一枚でした。でも、その呪いは全く受け容れがたいものではなくて、分かってはいるけれど止められないという「つらさ」なんですよね。

今まで東方Projectを追ってきた中で胸に抱いた沢山の「幻想」。

それを見つめ直すアルバムです。


◇いざ「幻想」の世界へ

今回は一般参加ではなく、委託です!

大晦日の朝からメロンダッシュを決める私!

経験則上、朝からメロンダッシュが一番速いので一般参加しない時はよくこうしております。今作は私好みの原曲が多めだし、霊夢ちゃんが表紙ですし、試聴の段階でもうワクワクでしたから「早く聴きたい!」というおもいが先走りました。

偶像陳列中の店員さんを横目にメロンブックスで『彁』を発見!となりに再販された過去作も確認!メロンブックスの店員さん、陳列してくれてありがとうございます。

『彁』を手に取り即レジ!

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さて、安全圏に逃げ帰ったので開封の儀を行います。

今回はブックレットを先に見ないようにしました。見てもいいのかもしれないですが、なんとなく。そんな気がしたので。

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ビニールをはがします。

帯は普通のようです。裏側も普通・・・?ふむ。

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ケースを開けます。

猛烈に嫌な予感。この白紙。

早く閉じたいので、すぐにディスクを取り出して盤面を見ます。

英文、ありますね。

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ドライブにセット。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

全部で11曲。

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それではいきましょう。「幻想」へと。


◇楽曲の感想

全部で11曲な気がします。紹介の通り、呪詛多めですが、全体的に原曲の良さが目立つようにアレンジなされていて、音楽的にはお気に入りの一枚です。いつもよりも原曲が分かりやすいかも・・・?

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M01. ALL EVIL MISCHIEF

イントロが『何もかもが、幻想』(っぽい気がする)???

現世を彼方へと吹き飛ばさんばかりの疾走感!過去作『辿/誘』では「おいで、おいで」とゆっくりと幻想へと誘われましたが、今作の場合は幻想の方からが襲ってきている感じ!凋叶棕史上最も激しい『ネクロファンタジア』ではないでしょうか!?

幻想の名を冠する『ネクロファンタジア』のメロディーは「幻想」をテーマとするこのアルバムの産声に相応しいですよね。凋叶棕のアルバムの中でも本作『彁』の難易度は予定された無秩序「幻想 – Phantasm Level」だと勝手に思っています。

この楽曲で気になるのは、ブックレットとプレイヤーズスコアの意図ですよね。

ブックレットには八雲紫の帽子のリボンのようなものがありますが、CDケースの裏側に八雲紫の影が見当たりません。『ALL EVIL MISCHIEF』というタイトル、白地に描かれた全ては悪魔の仕業なのか・・・?うーん気になる。

『プレイヤーズスコア』ゲームオーバー時に流れる原曲なので、聴き手のゲームオーバーを示唆している?しかし、『プレイヤーズスコア』の本質はそこではなく、プレイヤーのスコアを可視化して刻む事だと思うのです。コンテニュー時、ネームレジストの際にも『プレイヤーズスコア』は流れるのですから。

プレイヤーとは遊び手か祈る者か。では、スコアって、何の得点なのでしょう?

得点ね・・・。いや徳なのか・・・?うーん、まあ得点で間違いないのか。(含みが多い)


M02. ホーカス・ポーカス

ああ、普通の魔法使いってそういう・・・。

我々が東方紅魔郷などをプレイしているとき、霧雨魔理沙が放つ弾とかレーザーとかディスプレイを通して観測しておりますが、実はあれ全部、幻覚なんですよ(?)。ツリーミサイルって本当は道端の木の枝投げつけてるだけだし、マスタースパークは魔改造した懐中電灯かガスバーナーだし、スターダストレヴァリエなんて名前の通りDustをばら撒いてるだけなんです!でも、全部避けて弾当てたら勝ちの法則なら理論上は巫女にも妖怪にも勝てるはず!!!つまり(?)、博麗霊夢が命名決闘法布告したのって実はレイマリなんですよ!!!(※幻覚症状)

ブックレットの「断面」とか、「全部幻」とか、もうそうとしか思えない!(魔法使いはふつう)

「方法」はもう知ったから、という歌詞がかなりキテますね。霧雨魔理沙、マジ天才か・・・。人間、「方法」を知ったからってすぐにできるもんではないですよ!でも、賢い霧雨魔理沙にはそれができてしまう、しかも当たり所が悪ければ普通に死ぬ遊びで。弱さに自覚がある頭脳系主人公(最弱)って響きがカッコいいですね。まぁ、それすらも幻想なのかもしれませんが。

いつも恒例となっている今作のめらみぽっぷさん可愛い枠。というか、『彁』で一番の癒しまである。ほーかすぽーかすの囁き声が好き。霧雨魔理沙で癒し系の曲は『スターシーカー』以来!?でも、振り返ってみれば、凋叶棕の霧雨魔理沙ってだいたいかわいいと思います。(すたふぉろさんは霧雨魔理沙じゃないので除く)


M03. Marks of Sin

サークルYonderVoiceさんへの寄稿曲再録と思いきや、ボーカルmikoさんで再録。寄稿元ボーカルの瑶山百霊さんともやや声質が似ている・・・?妖精系ボイスです(?

寄稿元の方の感想でも書いたのですが、『遥か38万キロのボヤージュ』も『星条旗のピエロ』も疾走感がたまらない原曲でして、その疾走感を受け継ぐかのような『Marks of Sin』、とても良いのです!RDさんの寄稿曲の中でも割とリピートしているアレンジです。

三月精を読んでいてたまーに思うのですが、妖精が自然現象の権化だとして、クラウンピースは何の妖精になるんでしょうね?「地獄の妖精」というのは地獄で生まれた妖精ってだけの話だと思うので地獄の権化というわけではなさそうな気がします。じゃあ何の妖精かって、やはり「人を狂わす程度の能力」に関連しているのかなって考えている中、『Marks of Sin』を聴いてると「罪」という単語に引っ掛かって、あーそういう解釈もありなのかなって。

あと、なんといっても、『Marks of Sin』が「幻想」をテーマにしたアルバムに再録されるという事に圧倒的な正しさがあります。

決して届かぬ幻想へと手を伸ばす、その人の持つ罪【Superbia】よ・・・。「幻想」とは、往々にして人を狂わせるものなのだろうか・・・?


M04. trill_Moonshine

とりるだのりとるだの。トリルの方の大ちゃん。

うーん、大妖精はそうですねー・・・。

大妖精には霧の湖のイメージがすごくあるんですよね。まぁ、紅魔郷2面のイメージそのままなんですが。大妖精は霧に隠れることでワープしてるように見えるみたいな妄想をする程度にはものすごく霧のイメージが。もはや霧の妖精だと思っている節があります。まぁこれは幻想なんですが。

故に『trill_Moonshine』を聴いていると霧の湖のイメージが湧いてきます。霧の中、妖精の少女に出会うような感じ?霧の湖というロケーション的には『水面よりソット・ヴォーチェ』に近いです。この2曲を連続で聴いてみると結構雰囲気があってオススメです。

いやしかし、原曲が『ルーネイトエルフ』だから三日月の妖精なのか?うーん、どうなんでしょう。設定の少ない名無しの存在に思いを馳せること自体が「幻想」に手を伸ばす行為であるからに、今作を聴きながらいろいろ悶々と考えてみるのも面白いのかもしれません。


M05. 幻想少女物語

謎の少女Q「やめとけやめとけあいつは本にしか興味がないんだ。甘味処行こうぜって誘っても楽しいんだか楽しくないんだか・・・本居小鈴1〇才、仕事はまじめでそつなくこなすが本の中の幻想にしか情熱を注げない女・・・。」

ビブロフィリアの小鈴ちゃんに興味を持っちゃった鈴奈庵の子狐君(ちゃん?)のお話ですね。子狐が小鈴に気があるという描写は鈴奈庵にはないのですが、ノートを渡すコマとか、手相を見るコマとか、憧れの小鈴お姉さんという幻影が見えますよね?まさしく読者の幻想そのものです。

目を閉じて幻想の世界に浸る小鈴、対して子狐の目線は小鈴に向いている・・・。「子狐→小鈴→本」という構図、小鈴にとって本は焦がれる幻想であって、子狐から見ると小鈴が幻想なのでしょうね。「東方ファン→東方キャラ」の構図も然り。しかし、ロマン溢れる幻想郷に住む者達も、我々と同じように本の世界の幻想へ焦がれるというのは面白いですよね。ちょっとしたシンパシーを感じます。

めらみぽっぷさんの抑揚の付け方、すごいですよね!曇りのない声は純真な少年っぽさがあります。小鈴パートと子狐パートは歌詞のインデントで分かれている・・・?めらみぽっぷさんの歌い方も変わっているような・・・。


M06. Dolls into Pitiful Pretenders

ZCDS-0001『蓬莱人形 ~ Dolls in Pseudo Paradise』のジャケットに描かれた名称不明・正体不明のあの子、通称ジャケ子ちゃん。おそらく『Dolls into Pitiful Pretenders』のジャケ子は「最も美しいボク」ではなく、ただのジャケ子。

そもそも「最も美しいボク」がジャケ子であるという話は「真実」ではありません。当然、彼女はアリス・マーガトロイドでも霧雨魔理沙でもない。これら全てはただの幻想。神ではない何者かがジャケ子という人の形に意味と役割を与えたに過ぎないわけです。彼女は「彁」という文字と同じ、エニグマなのですから。

冷めたジャケ子ちゃん、いいですよね。ブックレットの「こういうのが好きなんでしょ」みたいな視線が気持ちぃぃ・・・。黒タイツがえっち!「ばぁか」って言われたい!言われた!そして実に凋叶棕(というよりあるでちゃん)らしい呪いがとてもとても!(まあでもいつか死者蘇生もあるのかもしれませんが)

音楽的にはものすごくDolls in Pseudo Paradise!蓬莱人形の曲ってほの暗くレトロで美しいところが魅力で、その魅力をしっかり受け継いだすごく良いアレンジ!サビの『明治十七年の上海アリス』とイントロの『サーカスレヴァリエ』、良いですよね・・・!それに4つの原曲が混合しているのにも関わらず、かなり原曲が分かりやすいと思います。ここもすごいところです。(『永啼鳥』は結構分かりにくかったので・・・)

あと、なんといっても「レヴァリエ!レヴァリエ!」というコール。絶対ライブでやる前提ですよね!!!闇の集会参加したい。


M07. little_Metamorphoses

りとるだのとりるだの。リトルの方の小悪魔ちゃん。

小悪魔、小悪魔ねー・・・。なんだろう・・・。うーん・・・。

小悪魔ってコロコロ見た目が変わる二次創作イメージがありまして、髪の色や服装はほぼ変わらないんですけど髪型、胸の大きさ、キャラ付けは結構変わるイメージでして・・・。思い返してみれば、小悪魔って大妖精と比べるとハッキリ姿が描かれることって三月精と智霊奇伝くらいなもんで機会が少ないですよね。思うに、市民権(?)を得ているロングヘアー小悪魔もプレイヤーの「幻想」に過ぎないのかもしれないです。紅魔郷のドット絵的にはどっちともつかない感じですし。

『ヴワル魔法図書館』大好きなので音楽的にはかなりツボです!3:00~からの展開にドキドキしてします。そして、なんとなく今作、全体的に原曲の良さが伝わりやすくなっているような気がします。もしかして意図的なのか・・・?


M08. 幻想星神信仰

ついに来た凋叶棕の秘神マターラアレンジ!!!しかも裏のピアノが秘匿!!!もう最高か・・・。たぶん今作一番好きまであります。

星!鼓っぽい音!被差別の民!河原!障!秘神!秦河勝!ゲニヤサバナム!

星神が切り口のようですが、摩多羅隠岐奈の要素が盛り沢山です!

私、古代日本の謎を追う系の本が昔から好きでして、本屋で古代日本の謎系のそれが並んでいるあの一角の胡散臭くも浪漫な空間がたまらんのですよね。その浪漫の一つである摩多羅神、とにもかくにも謎が多すぎるんですよ!天空璋が頒布された当時、摩多羅神について本を買ったりネットで調べたりしましたが、結局のところよく分からない神だという事が分かった記憶があります。(そういうブログか?)

しかし、東方的にはその混沌とした神の集合体が摩多羅隠岐奈の正体になりますので、摩多羅神の多様な要素が混ざり合った『幻想星神信仰』のコンセプトは圧倒的に正しく思います。浪漫の探究者たちにとっての幻想の受け皿とも言える「謎多き神」という存在は、テーマ「幻想」にもとてもマッチしているのでは・・・?

摩多羅隠岐奈の私的なイメージは優しくも恐ろしい神様なのですけども、『幻想星神信仰』の隠岐奈はとても優しい印象を受けます。

恵まれぬ星の元に生まれし流竄の者。

「神とも神と」崇め求めるのならば魔(EVIL)を掃う呪文を。そして、「幻想」に手を伸ばさんとするオタクにも。

ゲニヤサバナム。

ありがたい・・・。


M09. 懐かしき道

ゲームボーイっぽい音に遠野の民族的軽快ピアノが混ざってなんだか不思議なインスト。

まず、『遠野幻想物語』マジ神曲か・・・、というのが第一印象でした。『遠野幻想物語』の良さが詰まりに詰まっています。やっぱ遠野いいよね・・・。神主曰くレトロなメロディーという事なので、原曲のイメージにもピッタリなアレンジ方針だと思います。あと、『遠野幻想物語』という原曲のタイトル自体がテーマ「幻想」として申し分ないチョイスですよね。

懐かしい、か。末っ子の私が親に初めて自分用に買ってもらったゲームハードがゲームボーイだったので確かに懐かしく感じますね。くすぶるなにか、あるような気がします。


M10. くすぶるなにか

あのね。私。試聴の段階でね。

「おまえーっ!おまえ・・・東方オタクがなーっ!幻想郷をなーっ!ゆるさーん!」

って思っていたのですけどもね。

ちゃんとFULLで聴いたらね。出す拳がなかったんですよ・・・。

かつて宇佐見は我々が焦がれる幻想に届いたんですね。それで宇佐見は我々が焦がれる幻想を今の自分にとっては過ぎ去った【終幻想】なのだと。これはね、私が経験したsomewhat trustworthy的インシデントで「まだやってんのか」的なことを旧友に言われた事とちょっと重なるんすよね。そりゃ許せんですよ。宇佐見のやつ。

でもね、もうね。許しちゃうよね。もう何様の発言だよって感じですけども。

だって、私にだって、過去に置いてきてしまった ”くすぶるなにか” があるのだから。

今の私に宇佐見を咎める権利はない。

そっと拳をおろすしかない。

nayutaさん。好き。優勝。


M11.  /彁

分かってはいるし、同意もする。正しいと思う。

けど、ソレを言葉として呑み込むのはとても辛い事。

これは、”何か” を信じる者の在り方、そのひとつの究極なんだと思います。

なぜ偶像崇拝が特定の宗派で禁じられているのか。それは偶像とは人間が作った神のレプリカにすぎず神そのものではないからだと言われています。神は非実在で視覚化不可能。故に、神に触れようとした者は神の裁きを受けると信じられてきました。

きっとそれは「幻想」にも同じ事が言える。視る事どころか触れる事すらできない。偶像を作る事は罪であり、崇拝する事も罪。いや、手を伸ばすことすら傲慢な罪なのかもしれない。

でも、それが罪だと分かっていながらも、止められない。だって、あなたが美しいから。

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私ね、博麗霊夢、好きなんですよ。

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・・・これ以上ね、何も言えない。困ったことに『 /彁』を聴いた後、博麗霊夢の偶像をまともに見れなかった。博麗霊夢を想う行為すらも、なぜかつらく感じる。

はなだひょうさんの描いた博麗霊夢の偶像、美しいと思う。透明感が素敵だと思う。

でも、それ以上に、こわい。私は畏れが先に来る。

博麗霊夢が、現のすべてを超越して、ただ何も知らずに空を飛んでいる。私はただそれを見上げるだけ。しかし、突然、彼女が目を見開き、地から見上げる私を見つめ返してくるかもしれないと、そう思うと心の底からゾッとする。そんなこと、起こるはずもないのに。

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私にとって『 /彁』は在り方を再認識させてくれる啓示なのかもしれないです。『空飛ぶ巫女の不思議な毎日』も『永遠の巫女』も大好きな私が、そう何度も聴こうと思えないRDさんのアレンジ、たぶん『 /彁』が初めてです。


◇くすぶるなにかがある音TOP5

聴いていてグッと来た部分を紹介します。

1位  nayutaさん

『くすぶるなにか』より。試聴のときに抱いた感情が全て吹き飛びました。もうね、nayutaさん。優勝です!(←何様)

2位  お前が宿星

『幻想星神信仰』より。星瞬く天へと昇るようなΦ串Φさんの声が気持ち良い。ちなみに今作で一番ループして聴いている楽曲です!

3位  「方法」はもう知ったから

『ホーカス・ポーカス』より。すげーよ霧雨魔理沙。「方法」を知れば、全て躱せるのか・・・。Lunatic霧雨魔理沙・・・!

4位  00:30~のいつものテーマ

『ALL EVIL MISCHIEF』より。これから一気に「幻想」へ引き込まれる、それを感じさせる音。期待と不安、祈り。ワクワクの音です。

5位 きっとぼくの思い過ごしと~

『幻想少女物語』より。ここのめらみぽっぷさんの声が、やたらと耳に残る。少年の純真さ、凄いなあ・・・。


まとめのようでまとめではない何か

初めての『彁』を聴き終えた私は、まずケースを開けました。

そして、ブックレットを少しだけ見た後、いてもたってもいられなくなって。

気付いたらね。大晦日の電気屋にこれを買いに走っていました。

なにやってんだろうな・・・
これ、新品のブラックライトです。

本当なにやってるんでしょうね・・・。

でも、非実在性を確認するって大事なことだと思うんですよ。

「 /彁」の「 」には何もない。本心では分かっていたのだと思います。

・・・

・・・

・・・

今作、『彁』。とても手強いアルバムでした。

なんかもうやられっぱなしのボコボコという感じです。手に取る前は「いち早く聴いて聴きこむぞー!」なんて意気込んでおりましたが、一度聴いてしまった直後、聴く事から少し逃げてしまいました。こんなこと、長いこと追ってきて初めてかもしれません。

しかし、感想書いていくうちにだいぶ精神が楽になりました。今回、『彁』を聴いた方々の感想ツイートがいつもよりも沢山あるような感じもしていて、各々吐き出したい何かがあるんだろうな、と勝手に一人むにゃむにゃと想っておりました。

確かに『彁』は『屠』に近いといえば、近いのかもしれないです。呪詛多めですし。

でも、私は『奉』にこそ近いと。そこにある思想が『彁』にも含まれているのだと感じます。

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たぶんこれは原作への信仰のカタチ。なんだろうな、と。

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『彁』に収録された楽曲の全ては「幻想」です。おそらくブックレットに描かれた偶像も全て「幻想」であって、本来ならば全部白紙なのでしょう。そして、ブックレットを広げるとジャケット側に顕現する象徴『 /彁』の内容は「幻想」へと相対するその在り方を示しているようにも思います。

人間が作り出した偶像は決して神には成りえないように、原作に触れて湧き上がる「幻想」の数々も同じ、我々の「幻想」は彁を持たないのです。故に『彁』というアルバムもまた彁を持たない「幻想」であるため、それらが彁を持たぬことを教示する『彁』は矛盾した作品、とも思えます。

「ひょっとしたらこのブログは、凋叶棕の作品をレンズにして東方を見ただけの内容に過ぎないのかもしれない。」、確かにそれは否定できません。いや、実際そうなのでしょう。

でも、たとえ私が愛する「幻想」を失ってしまったとしても、それでも私はどうしようもなく東方を追い、また性懲りもなく「幻想」を見続けるのだろうと。

『彁』を聴いた後のお正月休み。『彁』を聴こうにも聴けずにダメージが尾を引く中、なぜか原曲が聴きたくなって、『サーカスレヴァリエ』や『遠野幻想物語』を聴いたりしていると、湧き上がる己の「幻想」を胸に「きっとそうなのだろうな」って。

なぜって、それが美しいから。

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以上が『彁』の感想です。

一回寝かせてから上に書きなぐった感想を読んだのですが、私は何を書いてるんでしょうね!これは感想でいいのか?うーん、ちょっと強めの「幻想」にあてられていたようです。でも、いっぱい吐き出したので今作を楽に聴けるようになったと思います!さあ聴くぞ!まだ通しで聴いたの4回くらいなので!

今回、特にお気に入りは『ALL EVIL MISCHIEF』、『little_Metamorphoses』、『幻想星神信仰』、『くすぶるなにか』、そして『 /彁』ですかね!!RDさんの「幻想」、はなだひょうさんが描く「幻想」、ボーカリストさんたちの「幻想」の声、その全てが全て脱帽するばかりで素晴らしい東方の「二次創作」だと思います。『ファンタジア』で恐ろしさを知ったばかりなのにね・・・。なんかもうボコボコです。

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次回の更新は寄稿のアレとかソレとかの感想になります。1月中にはなんとか書きたいですね。

なので、メロンちゃん『Urge』はやく!

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