【例大祭16】RDWL-0029『奏』感想

私はピアノ弾けません・・・

令和最初の凋叶棕の新譜『奏』を聴きましたので感想を書きました。

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きこえるままに、かんじるままに感想です。本記事には軽率な内容および私の独自解釈・好き嫌いが含まれています。お読み苦しい部分もあるかとは思いますがご了承ください。

当然、ネタバレがあります。まだ『奏』てない方は、今すぐに『奏』ましょう♪


◇ストレートなテーマ「音楽」

アルバム『奏』のテーマは「音楽」です。前作の『娶』がやや変化球だったのもあってか、かなりストレートでシンプルなテーマだと思います。凋叶棕のアルバムの中でもトップクラスのシンプルさではないでしょうか?

しかし、どうでしょう。東方アレンジをテーマ「音楽」で作る場合って、どうアレンジしたとしても「音楽」ができてしまうわけで、じゃあ「音楽」がテーマの東方マルチジャンルアレンジアルバムってどんな代物なるんでしょう?テーマがあまりにもシンプルすぎてアレンジするの逆に難しいのでは?とも思えなくもないです。

アルバム『奏』はこういったテーマ「音楽」の持つシンプルさに対して、いつもの凋叶棕らしい切り口で答えを返されています。

例えば、東方に登場するキャラクター達はどんな音楽を奏で、或いは歌うのか。

例えば、どんな音楽を聴いて、その音楽にどんなおもいを抱くのか。

例えば、どんな音楽を好み、または嫌っているのか。

シンプルながらも、おもむき深い、東方好きのための「音楽」が奏でられたアルバムです。

kanadeibig

聴いているとなんだか色んな感情が湧き上がってきて楽しい、まさに文字通り「音」を「楽」しめる作品といった印象です。なんどもなんども聴き返して「ああでもない、こうでもない」と考察を深めていくというよりは、肩の力を抜いて感じるままに聴く、そんなアルバムなんじゃないかなと思います。

歴代の凋叶棕のアルバムの中でも割と親しみやすい作品でスッキリと聴きやすく、作業用BGMにもいい感じです。しかし、奥へ奥へと聴いていくうちにどんどん趣が深くなってくる、シンプルながらも味わい深さがあります。故に後味スッキリとはいかないのかも?

試聴の段階からなんとなく趣旨が読めてしまう予測可能不可避的なおもしろみもありますね。そのタイトルと原曲ならもうそれしかない!といった具合で「タイトルがオチ」的なユーモアな楽曲が多いように思います。歴戦の凋叶棕ファンならばそういった部分におもしろみを感じられるだろうし、初心者にとってもシンプルで分かりやすく親しみやすい音楽なので、たぶん『奏』は色んな人におすすめできるのだと思います。

初心者向けでありながら、ある意味上級者向け、そんなイメージです!


◇いざ開封の儀!

今回、第十六回例大祭に一般参加させていただきまして、凋叶棕のスペースまで足を運んで直接手に取ることができました!例大祭の参加はかなり久しぶりでしかも西館開催ということもあって勝手がわからない感じでしたが、なんとか鬼形獣体験版をはじめとするお目当ての品をゲットできて大満足なイベントでした。

もちろん鳥獣伎楽のフライヤーもゲットできましたよ!神主列並んでる間に無くなってしまうか心配でしたが手に入って良かった・・・!ただ長期保管するには少し強度が心配なので後日ラミネート加工しておこうと思います!

さて、まだ帰りの新幹線ですが、早速開封の儀を執り行いたいと思います。(GW中ですが下りなので意外に空いていました)

しかし、実はですね・・・。前作の『娶』のこともあって少し警戒しております。試聴の段階ではそこまで警戒する要素はないと思っていましたが、やはり凋叶棕なので・・・。チョットコワイ!

いつまでも警戒してても仕方がないので、覚悟を決めて開封しましょう!

ジャケットはカジュアルめで制服姿の早苗さんが可愛いですね。ただ色合いは『夢』に近い気がする・・・。

ケースの裏は・・・特に変わったところはなさそうです。ジャケットに描かれてないキャラクターが居たり収録楽曲が増えたりもしていないようです。

帯を外してケースを開けます。

霊夢ちゃん!おお!ジャケットの裏!ジャケットに居なかったキャラクター達が描かれています!ケースをパカパカと開けてジャケットと交互に確認!アリマリコンビが居たのでやはりM08、予想通りでしたか・・・!

CDを外します。『娶』ではやられたので今回はやや目を薄めて。

(薄目で見た感じなんか大丈夫っぽい・・・?)

思い切って目を開けてレーベル面を確認。ふむ、今回いつもの英文はないようです。その代わりに何かの楽譜が描かれています。もしかして例のフライングサイトの・・・?

さて、ドライブにセットして取り込みます!そして、すかさず楽曲の数を確認!

12!OK!

(・・・ほんとに12?)

取り込めました。

さぁ、準備が完了したので聴いていきます!


◇楽曲の感想

にわかには信じがたいのですが、全部で12曲(?)あるらしいです。テーマが「音楽」という事もあって、さまざまなジャンルの「音楽」が収録されています。正に東方マルチジャンルアレンジアルバムといった印象です。

M01. the music I love

霊夢度が高い!高すぎる!

霊夢といえば「弾幕ごっこ」!「空を飛ぶ」!そして「説明が下手」!原曲も『永遠の巫女』に『春色小径 ~ Colorful Path』に『少女綺想曲 ~ Dream Battle』!霊夢尽くしの贅沢三昧アレンジ!

テーマ「音楽」で主役が霊夢だと「博麗霊夢がどんな音楽好きなのか」という趣旨になると思いますが、霊夢が自ら楽器を演奏したり、あるジャンルの音楽を好んで聴いていたりするイメージは正直あんまりないです。

しかしですね!機嫌がいいときの霊夢ちゃんって歌うんですよね!三月精のときみたいに「らんら~♪」ってな具合で!凋叶棕だと『しあわせのことば』でも歌ってる霊夢ちゃんが見られたと思います!たぶん彼女はこころが動くままに歌っているだけで、歌うことが好きというよりは歌いたいから歌ってるんですよ!

霊夢は美しいものは美しいと、素敵なものは素敵と、こころが動くままにそう思うことはあっても、彼女自身が自分の好みを言葉で説明できないというのもよく分かります。霊夢は自己表現が苦手というか、どちらかといえばミステリアスで内面が分かりにくいというか、天性の勘の良さ故にいろいろ過程をすっ飛ばしてしまうからたぶん説明なんてできないと思うんですよ!

つまり、あいつは説明下手だ。あの「普通」の魔法使いもそう言っているんですよね・・・!

あと、凋叶棕の霊夢曲の中ではかなり霊夢の精神が安定しているというか、満たされているというか、喜怒哀楽の中でいえば「楽」の感情が近いように思います。もしかして凋叶棕における霊夢曲、喜怒哀楽がそろってしまった?いや、もう既にそろっているのか?始符や無題も「楽」の感情ですかね?

本楽曲、ひじょうに彼女らしい楽曲で『奏』で一番のお気に入りです!


M02. Closed Rain

梅雨の時期の休日、家に引きこもって聴きたい楽曲です。音楽は大人っぽいようで歌詞は少女な感じ。495歳の魔法少女ちゃん。

フランドール・スカーレットがきくのは何の音?フランドールのいる場所は地下なのできこえる音は限られていると思います。そんな中で「フランドール」と「雨の音」という切り口が斬新です。

「雨を降らせてくれるのはきっと私のためなんだわ!」と、フランドールはこういうこと思っていそうな感じは確かにあります。495年間(もしくはそれ以上)外に出てないので思い込みが激しいというか、かなり独り極まってる感じはあります。本当は別の意味で危険だから出してもらってないのですけども・・・。あー、でも、フランドールってパチュリーが雨降らしているの知ってるんでしたっけ?どうでしたっけ?

いや、しかし、どうなんでしょう。この楽曲ではラクトガール的にもパチュリーが雨降らして出さないようにしていると見るべきなんでしょうが、なんとなくパチュリー関係なしに普通に雨が降っていてもフランちゃんはこういうこと思ってそうなイメージがあります。梅雨の時期とか、どうなるんでしょうね?「ああ!今日も出してもらえないのね!私はなんて愛されてるの!」と変なテンションになってそうです。

(そういえば、某ウサミな本で「えぇー!なんかあっさり外出してるじゃん!!!」と思ったのは内緒。)


M03. 宴会芸「白玉楼御庭幻闘」

堀川雷鼓の主張が激しすぎる・・・!

タイトルと原曲通り、魂魄妖夢ちゃんの宴会芸と思わしき楽曲なんですが、楽器を聴きとるとルナサもメルランもリリカも雷鼓も居るようなので、ホリズムリバー(プリズムリバー三姉妹withHともいう)が賑やかしに演奏しているようです。だが!『始原のビート』の主張が激しすぎる!楽曲の〆まで『始原のビート』じゃねーか!(デンデデデデデー

いやぁまぁ、原曲の『東方妖々夢 ~ Ancient Temple』はもちろん、ひろありけちょうをいることも入っているので妖夢要素はバッチリあります。剣がシャキーンとなる音もバッチリ入っていますが、若干控えめで最後の方はもはや聞こえてこないですね・・・。途中で妖夢ちゃん恥ずかしくなって退場したんです?イントロの墨染的にも幽々子に指名されて嫌々に宴会芸している魂魄妖夢なんです?うーん、いろんな妄想ができそうです。

もしかするとシャキーン音が出てないだけで、妖夢ちゃんはノリノリで剣舞しているのかもしれないですね。割とそういうの、ノリノリでやりそうなイメージもあります。


M04. 玉兎群体遠隔電波通信網

月の兎が好きな音。きこえますか。きこえますか。

かなり兎は舞い降りていますが、この楽曲の名前つけたのって鈴仙・優曇華院・イナバさんですよね?ルナティックシグナルクラウド!!!←ここ好き

最初聴いたとき、「そういえば、ぼうげっしょーとかでそんな設定あったなー!」ってな感じでした。月できける音は限られていますし、さざめくような噂が波となり声となる玉兎通信、噂話が好きな月の兎にとって好きな音は確かにこれしかなさそうですね。

たとえ遠く離れていても波長を合わせていつでも会話できるってなんだか”中毒”になりそうですよね。インターネットでいうSNSとか掲示板とかデマで溢れた雑多な情報の海、悪いイメージもありますがどこか人を飽きさせない魅力があります。私の中では玉兎限定でブロードキャスト通信される、玉兎専用のSNSみたいなイメージです。

しかし、この玉兎通信、これがなかなかやっかいな代物で、あの八意永琳すらも振り回し、永夜異変という大異変のきっかけとなっているんですよね。そう考えるとなんだか罪深い音にもきこえてきますね。


M05. Uncooperative Harmony

協調性なさすぎる・・・。

河童が演奏する音楽です。はい。明らか楽器ではない何かで演奏されています。家電製品?工具類?その「ヒューーー!!!!!」っていう、その甲高い音はなんなんだ?笛の音なのか?それともまさか蒸気が噴き出した音なのか?というか楽器を演奏しなさい!なんとなく私はノルウェーの某バンドを思い出しました。

タイトルからオチが読めてしまう楽曲の筆頭で、まさに”Uncooperative”・・・!『カ-210号の嘆き』などとは180度違ってもう完全にギャグです。タイトルの”cooper”の部分がカッパと発音できるのかと思いましたが、発音的には”クゥーパ”ですね。

協調性はないのですが、割としっかり聴きとれるレベルで『芥川龍之介の河童 ~ Candid Friend』で『神々が恋した幻想郷』になっています。すごい。

「ヒューーー!!!!!」って音が少しツボで、お外できくとわらってしまいます。


M06. 踏んじゃってごめんねお燐

あやまるならなぜ踏む・・・!

これもタイトルがオチ!オチすぎる!既にタイトルで謝罪してますからね?

唐突に挿入されるハルトマン。いやぁー無意識って怖いですね。お燐は踏まれたくらいでどうにかなってしまう妖怪ではないと思いますがお気の毒です。苦労人属性!

テーマ「音楽」的には、古明地こいしが奏でる音ってこと?古明地こいしに奏でられた火焔猫燐という見方もできそうです。うーんしかし、原曲『ハートフェルトファンシー』といえば「にゃーん!」ですからね!地霊殿プレイヤーが募らせたお燐への怨み、それを受信した古明地こいしがプレイヤーの代わりに逆襲してくれているのではないか、という見方が個人的にはしっくりきます。

私もかなりお燐にやられましたからね!今になってもキャッツウォーク超苦手!こっちくんな!即ボム!


M07. 「」

鳥獣伎楽、死亡フラグでは・・・?

タイトルの意味は、歌手の台詞・叫び・主張を表す記号としてのカギカッコって感じなのでしょうか?イヤッフゥー!今から言いたいこと言うぜーーー!!!!的な?

急遽、例大祭当日に配られた謎のフライヤーもさることながら、凋叶棕の楽曲全体の中でもかなり強烈な個性を放つ楽曲だと思います。妖精や妖怪に人気な二人組、鳥獣伎楽のライブがそのままアレンジになった感じでnayutaさんの喉が心配になるシャウトっぷり!まさにイメージ通りです!

nayutaさんの「行くぞぉー!」も素敵です!そして、「いけーーミスティアーーーッ!!」からのギターソロ!そういえば求聞口授でみすちー、ギター持ってましたね!

あと、「今宵ここが~♪」のところの裏で『夜雀の歌声 ~ Night Bird』のギターが聞こえてくるのいいですよね。原曲は『夜雀の歌声 ~ Night Bird』だけ記載されているのでみすちーが作曲なんですかね?作詞は二人でしてそうな内容ですが。

例のフライヤーによると最初の曲みたいですね。ここに書かれている他の楽曲も作られるんですかね?いやでも、私はこの楽曲が終わった後の静寂が気になって仕方がないというか、普通は歓声が聞こえてくると思うんですよね。

私の脳内では、最後観客はみんな逃げてて舞台でかっこいいキメポーズしている鳥獣伎楽の二人の隣に博麗の巫女やら命蓮寺の住職やらが仁王立ちしてるイメージが浮かびます・・・!戦慄!


M08. 室内楽のための「エソテリアン・ファンタジア」より 主題(野魔法使いによる変奏を含む)

都会派バロック音楽 魔界風。ド〇クエの城風。

”野魔法使い”という命名、どう考えてもアリスです。妖々夢アリス。

魔界出身と噂の自称都会派魔法使いさんが都会派な音楽を聴きながら優雅に過ごしている姿が思い浮かびます。途中から野魔法使いさんが不法侵入してきますが、最後まで優雅で都会派な感じです。試聴の段階でマスパの音が入ってくるんじゃないかと心配しておりましたが入ってなくて安心しました。

しかし、野魔法使いとはいえど、霧雨もそれなりのお嬢さんなのでこういう都会派な音楽にも造詣が深いんですかね・・・?マリアリはどちらもハイソサエティなガール(要出典)なので割と音楽を優雅に楽しむイメージはある感じです。やはり、楽器も弾けるんでしょうか?

ところで都会派な音楽って何なんだろう・・・。でも、エソテリアって地方都市ですよね・・・。都会派とは・・・?


M09. 世界中の誰よりも

凋叶棕の楽曲の中でトップクラスに歌いやすいのでは?不思議と早苗さんが歌いそうな曲っていうイメージがあります。イェイ!←ここかわいい

ブックレットを見ると早苗さんマイク持ってカラオケしてますね・・・。まだ外の世界に居た頃の早苗さんのようですが歌ってる内容がすっごくラブなソングですね・・・。頬も染めちゃってさぁ、一体誰に向けて歌っているんでしょうね・・・!うぎぎ!まさか『At least one word』の彼なのか?『A transient faith』で早苗さんと結婚していると思わしきあの彼なのか??これ早苗さんが歌い終わった後「そういえば早苗ってさ~好きな人いるの~?」「彼の事、好きなんでしょ~このこの~!」「そ、そんなんじゃないってば!もう~////」みたいな会話してるんでしょ???この最強無敵種族(要出典)どもめ!!!

はい。まぁアレです。”辿”の文字とか、「(神様にさえ)誰にだって止められない」とか、もうね!凋叶棕のファンはちょっとしたことから色々察してしまいますよね!止められなかった未来がアレなのでは???凋叶棕ワールドの早苗さんって儚いと言いながらも結構芯の強い子っていうのが個人的にはとても好きです。

にしてもこの楽曲、東方アレンジの色が目立ってなくて、再生時間も短いので、たぶん東方知らない人とカラオケ行ったときなんかでも歌いやすいのでは?東風谷早苗が好きっていう最強無敵の種族の方におすすめの楽曲です。


M10. かばねのうた

妖精の本質と死生観。とてもいい・・・!

「なれど死を知らず 」のところの『年中無休の好奇心』のメロと後半のハンドクラップもいい・・・!

私は霊柩車じゃない昔の”野辺の送り”って生で見たことはなくて、映画くらいでしか見たことないのですが、喪に服しながらも目立つように列を成し、鈴や鐘を鳴らして田んぼ道を練り歩くという、ケのようでハレのような独特の雰囲気が魅力的だと思っています。野辺の送りが幻想郷で行われているかどうかついては、実はちゃんとそういう描写がありまして、鈴奈庵第三十七話で塩屋敷の旦那が亡くなった際に行われています。

もしも野辺の送りを妖精が見ていて「楽しそうだし真似してみよう」と思ったら、というのがこの楽曲のテーマみたいです。見ようによっては野辺の送りってお祭のおみこしにも見えなくもないですし、葬儀の概念を知らない妖精であればこの文化的な催しを理解なんてできないだろうし、確かに幻想郷ではこういうことが起こりかねない!求聞史紀の妖精の項目を合わせてみればもはや必然レベルの蓋然性です!すごい!

ブックレットには『ジ・アノニマス』に出てくる妖精さんたちが再登場しているみたいですね。しかし、人数が足りない?いやでも、『奏』のジャケット裏にはちゃんと6匹いるみたいだけど・・・。もしかして真ん中の子、黄色の衣装の妖精ちゃんなんです?襟元が似てるし、髪飾りや髪形も・・・。あっ

真ん中の子は哀れにもこの世を去った人間の子なのか、あるいは一回休みとなった妖精なのか。妖精であればただの模倣、人間の子であれば自然葬。この楽曲、いろいろな解釈ができそうですね。もしかすると、黄色の衣装の妖精ちゃんには深い設定があるのかも・・・!実は妖精のフリしてるだけの人間の少女だったり・・・?


M11. いつか聞いたあの音色

ブルースハープの音色はどこか懐かしく寂しいような・・・。

この楽曲、純粋に私が好きな音楽かもしれません。心の中にある原風景が思い浮かぶようでとても。

文果真報に書かれていた、かつて小さい頃の菫子が幻想郷と似た場所で数日過ごしたことがあるという話。その朧げな記憶の中で聞いた音、なのだろうか。ジャケット裏の菫子はブルースハープを口にしているようなので、演奏しているのはおそらく菫子なのでしょうね。

かなり『ネクロファンタジア』の音が目立っているので私の脳内PVでは八雲紫が登場しています。かつて幻想郷へ神隠しされた菫子は八雲紫からブルースハープの吹き方とこの音色を教わった、というイメージがなんとなくあります。

そういえば、凋叶棕では『Spirited Away』というアレンジ楽曲がありましたね。菫子が当時感じた恐怖心は魂の奥底に秘められたままで、美しい音色の記憶のみは思い出せた、ということなのかも?


M12. the music I hate

全部持っていけましたか?あなたがここにいた証を。

見覚えのある幻想蓄音円盤、夜光蝶。もちろん、この楽曲単体でも彼女の境遇に思い馳せることはできますが、しかし、やはり、私はあの名曲が頭に浮かびます。

人間という生き物をやっておりますと「自分が生きた証とは一体何だったのだろうか」と人生のどこかでふと思うことがあります。死んでしまっては何も残らないのではないかと。私を思い出してくれる人もきっとそのうち居なくなってしまって、いつかこの世界から私が生きていた事など泡のように消え失せてしまうのではないかと。まるでお前の人生は全て無駄だったんだと誰かに言われているような、そんな気がして堪らなくなる。

『忘れえぬ物語』の彼女が幻想蓄音円盤にそれらを残そうとしたように、人である身ならきっと自分が生きた証を残そうとするのでしょう。しかし、求聞史紀に書かれている通り、次代の御阿礼の子へ受け継がれる記憶は幻想郷縁起に関係する一部のみです。故に生きた証・思い出をいかなる記憶媒体で残そうとしても、「なぜその音を残そうとしたのか」、「この音に付随するおもい」、それらを知ることは次代の彼女では叶いません。約百年後の彼女は、魂は同一でも大半の記憶が失われてしまった、全くの別人となってしまうのですから。

稗田に伝わる転生の秘術が生み出す、魂と肉体と記憶の歪み、不協和音。

御阿礼の子と嫌いな音。

戸惑いを感じさせるイントロの音。耳を澄ませば聞こえてくる生きた証の象徴ともいえる鼓動の音。彼女の嫌悪感を感じさせるめらみぽっぷさんの歌唱。曲終わりに聞こえるあのメロディー。どれをとってもテーマに沿った音作りがなされていて、本当に素晴らしい音楽だと思います。

試聴の段階では稗田阿求と音楽ならば幺樂団の要素が出てくるのかなと思っていましたがそうではなかったですね。なんたって”hate”ですからね。それに幻想少女の好きな音楽ってだけが、テーマ「音楽」ではないですもんね。この楽曲、アルバム『奏』における”アクセント”という印象です。

うーん、この音を嫌いと言った彼女は生きた証をこの世に残さないつもりなのでしょうか。私は彼女が今際になって初めてそれが分かるのではないかと思っています。死を前にすれば人のエゴはより一層強く・・・!


◇わたしのすきなおとTOP5

聴いていてグッと来た部分を紹介します。

1位 そうよ 聞こえるでしょう? かなでる あのおとが・・・

『the music I love』より。「かぜきるおと」に繋がるところが最高!私は心の中で例の外国人四コマ画像の興奮してる方みたいな状態になっています!うおぉぉ!

2位(ハンドクラップの音)

『かばねのうた』より。楽曲の盛り上がりに合わせて歌詞にタイトルが登場するのとても好き。ハンドクラップって、まさしく葬迎の音ですよね?

3位  「私」の人生を続かせることに

『the music I hate』より。常々思っておりますがめらみぽっぷさんの心情の入れ方がしゅごい!こころがうたれる!

4位(ネクロファンタジアのサビ)

『いつか聞いたあの音色』より。『ネクロファンタジア』、いいよね・・・。

5位(蒸気の吹き出す音?)

『Uncooperative Harmony』より。お外できくとわらうのでやめてほしい。「ヒューーー!!!!!」


まとまらないまとめ

アルバム全体を見渡してみればポップで楽しげな雰囲気ですが、随所に散りばめられた細かい東方の設定、楽曲を彩る隠し原曲、ボーカリストの巧みな歌唱表現、作風に関しては”いつもの凋叶棕”という印象です。また、凋叶棕ファンへのちょっとしたサービスもあって、私は大変楽しむことができました。

はなだひょうさん絵のブックレットは全体の統一感を重視されているようで『伝』や『掲』と似たタイプという感じです。絵柄もそうですが、レコードを象った円盤が各々に描かれているのが印象的で、ミラーボール、月、スポットライトといった楽曲のシチュエーションに沿ったこだわりデザイン。あと、恋する早苗さんがめっちゃかわいいです!

テーマ「音楽」というシンプルさもあり、比較的初心者向けで親しみやすいアルバムだと思います。しかし、シンプルだからといって『奏』の味が薄いわけではないと思うのですよね。そう思う理由はこれ。

『the music I love』から始まり、『the music I hate』で終わるアルバム構成。

音楽も趣旨も分かりやすいカジュアルなアルバム『奏』、始まりと終わりに”love”と”hate”があることでシンプルながらも味わい深さが生まれているように思います。特に『the music I hate』の位置付けがとても良いなーって思うんですよ!

『the music I hate』の主観である彼女はこの音を嫌いと言いましたが、しかし彼女の前代にあたる御阿礼の子にとってそれはきっと好きな音だったんだと思うんですよね。生きた証として残すくらいですから。でも、その音を聞く人物によっては嫌いな音になってしまう、それはとても哀しいことですが当然のことでもあります。

たぶん、私にもあなたにも、誰にだって嫌いな音楽ってあるんだと思います。そして、当然ながら好きな音楽もあるはず。では、『奏』に登場したキャラクター達は「音楽」に対してどんなおもいを持っていたんでしょう・・・?きっと、その中には”love”と”hate”だけでは言い表せない感情がたくさんあるんだと思います。

つまり、アルバム『奏』には「音楽との向き合い方」に類するメッセージが含まれているのだと、私は感じました。幻想少女達が好き好きに奏でた多様な音楽、幻想少女達の音楽に対するおもい、それらをまとめあげる役目としての、”love”であり、”hate”なのかなと。

好きな音楽も嫌いな音楽もあっていいんですよね。「音楽」と「感情」は切っても切れない不可分な関係、霊夢のように「ただ好きだから」でもいいし、阿求のように「この音を憎む」でもいい、きこえるままにかんじるままに奏でられた「音楽」を聴けばいいのではないか・・・?

うまく言葉にできなくて申し訳ありませんが、私はこのアルバム全体を通してこういった感想を持ちました。なので、私はこの感想を書くに当たって、「音楽」によって生まれ出でた感情をできるだけアウトプットしてみた次第です・・・!

ふぅ・・・。

最後に!

今作、私は『the music I love』、『かばねのうた』、『いつか聞いたあの音色』、『the music I hate』がとてもお気に入りです。特に『the music I love』は五月病対策仕事前のやる気スイッチとして大活躍中です!そうよ、わたしのすきなおと!

いつも通り全くまとまっていませんが、以上が『奏』の感想となります!

次回の更新は・・・。うーん、どうしましょうね?ちょっと様子を見てから投稿したいと思います!まだどうなるか分かりませんが多分、感想です!

P.S.

そういえば、レーベルの楽譜、皆様は奏でましたか?私はMIDIで鳴らしてみただけでピアノではまだ弾けてないです。うーん、MIDIは奏でたうちに入るのか・・・?

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