『我が愛しき密室少女に寄せて』

ららららっくとがーる


Featured in: 密
track: 5
arrangement: RD-Sounds
lyrics: RD-Sounds
vocals: nayuta
original title: ヴワル魔法図書館
length: 06:23

◇概要

『密』のトラック5にあたるボーカルアレンジ。

秘密をテーマにした楽曲が収録されているアルバム『密』の中でも、この楽曲はひと際キュートでコメディタッチな雰囲気を漂わせている。

秘密、それは乙女の妄想。

それは誰にも見せられないノートの中身。

東方紅魔郷4面道中テーマである『ヴワル魔法図書館』のアレンジとなるわけだが、この楽曲の主観は『パチュリー・ノーレッジ』その本人ではない。歌詞カードを見ればわかる通り、この楽曲の大半は小悪魔の妄想である。

『パチュリー・ノーレッジ』を主人公とした小悪魔による妄想小説、楽曲タイトルが二重括弧(『』)で囲われているのは妄想小説のタイトルであるからなのか。妄想小説のジャンルは罪深くもラブロマンスとなっている。しかも、パチュリーのお相手はメイド長、普通の魔法使い、さらには小悪魔自身も!?

身の回りの人々を妄想に登場させ、さらに小説として形にしてしまう行為。こういった類のものは秘密にしておかないとバレた時がとても怖いものである。妄想の中にとどめておけばいいものを・・・。

この記事では、立場や嗜好といった点で小悪魔のキャラクター性についてを掘り下げていきたい。


◇小悪魔とは?

この項では、『小悪魔』というキャラクターについて基本をおさらいする。

こあこあ
『東方紅魔郷  STAGE4  暗闇の館 ~ Save the mind』

東方において『小悪魔』とは、『東方紅魔郷』4面に登場した中ボスを指す。小悪魔と聞けば、”小悪魔系”などといった一般的な単語も思い浮かんでしまうが、実際に”小悪魔”とGoogleで画像検索してみると、東方の『小悪魔』の画像がチラホラといった感じだ。GoogleやPixivなどで検索する際は「小悪魔 東方」などと検索するのが良いだろう。

少し話が逸れたので本題に戻る。『小悪魔』について、ZUN氏の発言から振り返っていこう。

Q.「紅魔郷」4面中ボスはパチュリーにしては黒っぽいような?

A.全くの別人です。2面中ボスは大妖精、4面中ボスは小悪魔(共に名無し)です。

―幻想掲示板2002年12月(まよいがねっと)より引用

『小悪魔』とは一個体に名付けられた名前ではない、そもそも「名無し」のキャラクターであるようだ。では、なぜ『小悪魔』という呼び名なのか。

悪魔は吸血鬼や魔法使いなどと同じ物で強大な種族ですが、その中でも力の弱い物なので小悪魔です。
性格は2面ボスと似たところも多く、気まぐれでいたずら好き、後先考えずに行動します。4面中ボスも普段から紅魔館に住み着いていたりします。
こういった、雑魚クラス(ボスクラスではない)のキャラは、基本的に沢山います。
何かの役割を持っているとかも無い、自由気ままなキャラ達ですね。

―東方書誌2004年1月12日(ウェブアーカイブ)より引用

悪魔にしては力が弱いので『小悪魔』。種族は呼び名通り「悪魔」ということらしい。また、特定の役割があるわけではなく、ただ紅魔館に住み着いているだけの存在のようだ。

パチュリーと小悪魔の関係について、『我が愛しき密室少女に寄せて』では<<下僕と主人>>と表現されているが、公式には二人の関係を明確にする描写は存在しない。

今判明しているのは、小悪魔は紅魔郷4面の中ボスで紅魔館に住み着く力の弱い悪魔である、ということ。東方では、同じ面に登場する中ボスと大ボスは「下僕と主人」とは言えないような関係の場合が多い。例えば、椛と文、てゐとうどんげ、チルノとレティ、屠自古と布都など、上下関係であっても主従関係とは言えない場合が多いのだ。

以上のように、小悪魔がパチュリーの下僕であるかは不明点もあるが、実は書籍にこんな描写があった。

『東方三月精 ~ Strange and Bright Nature Deity.  第14話 嵐の勁妖 後編』では紅茶と本が置かれたテーブルに向かう魔理沙とパチュリーのコマにて、小悪魔らしき人物がお盆を持ちテーブルの傍に立っている様子が伺える。このキャラクターが小悪魔と一致しているかは分からないが、頭と背中から生えた黒い蝙蝠羽など、見た目はかなり似ている。

魔理沙とパチュリーに紅茶を淹れたのが小悪魔だとすれば、「小悪魔はパチュリーの下僕である」と解釈も可能だろう。実際、ほとんどの二次創作作品にて「下僕と主人」の関係として取り扱われているようだ。

小悪魔が登場した書籍は他にも、『東方儚月抄 ~ 月のイナバと地上の因幡 第23話』があるが、特に特筆すべき描写やセリフがあるわけではなかった。この書籍は公式として扱うかは意見が分かれる場合があるが、ZUN氏からの指定が一部あること、後の公式作品にてこの書籍のネタが拾われることなどもあるため、公式扱いで良いのかもしれない。ちなみに、紅魔館のキャラクターが多く登場した『東方儚月抄 ~ Silent Sinner in Blue. 』では、残念ながら小悪魔の登場はなかった。パチュリーが目立っていただけに期待していた小悪魔ファンも多かったのではないだろうか。

最近では『東方外來韋編  肆』にてZUN氏による小悪魔へのコメントが記載されていたこともあり、これから先も露出していない小悪魔の設定が出てくるかも・・・?そんな希望が持てる部分も東方の魅力の一つである。


◇カップリング偏向

この項では、小悪魔の妄想内容からカップリングの偏向、つまり小悪魔のカップリングの好みについて触れていきたい。

楽曲中には<<従者と客人>><<後輩と先輩>><<下僕と主人>>の三組が登場する。まず、それぞれのカップリングについて簡単に説明する。

<<従者と客人>>:十六夜咲夜×パチュリー

通称”咲パチェ”。

咲夜からパチュリーへの呼び名は「パチュリー様」、パチュリーから咲夜は「貴方」「咲夜」「猫」。立場としてはパチュリーがもてなされる側となる。

萃夢想のセリフやクロスレビューのこともあって仲の良いイメージはないが、儚月抄でのロケット作りの際は両者気まずい様子もなく関係は良好に見える。だが、咲パチェを取り扱った二次創作は多くない。Pixivでも2桁ほど。

楽曲中の妄想では、思わしげな横顔のパチュリーの所に咲夜がやってきて「そっと手を肩に…」といった様子で、咲夜側からのアプローチになる。咲夜は”ネコ”だけどパチュリーに対しては”タチ”なのか?パチュリーは受けである。

<<後輩と先輩>>:霧雨魔理沙×パチュリー

通称”マリパチュ”。

魔理沙からパチュリーへの呼び名は「あなた」「パチュリー」、パチュリーから魔理沙は「貴方」「魔理沙」「黒いの」「ネズミ」「黒ネズミ」など絡みが多いだけあって多彩。

三月精で魔理沙にキレるパチュリーなども見られたが、本編中の絡みも多く、魔理沙が本を盗む事を除けば関係は悪くないと思われる。だが、やはり盗むので基本的には辛辣。西洋と東洋の対比、性格の対比などお互いの持つ記号は正反対であり、むしろその正反対なところが受けているフシがある。二次創作は多く、古くからパチュリーにとって魔理沙はメインのお相手だった。古典派カプ。

楽曲中の妄想では、可愛げのない横顔のパチュリーのところに魔理沙がやってきて「奪われる視線…」といった様子。強引にぐっと抱かれているパチュリーは受けである。

<<下僕と主人>>:小悪魔×パチュリー

通称”こあパチュ”

原作では小悪魔にセリフがないので呼称を始め、二人の関係については不明点が多い。しかし、二次創作はそれなりにあり、パチュリーのカップリング相手としてメジャーな部類。

楽曲中の妄想では、強がってるようなパチュリーが小悪魔に崩されていくように抱かれていく様子が伺える。イラストを見ると、後ろからパチュリーが抱かれているので小悪魔からのアプローチと取れる。やはり、パチュリーは受けである。

<<従者と客人>>、<<後輩と先輩>>、<<下僕と主人>>、それぞれの代名詞だけで見ればパチュリーが目上の人となっているようだ。魔理沙がパチュリーを敬っているかはどうかは別として。

そして、パチュリーの立場(客人、先輩、主人)が後ろ側にあることが関係しているのか、小悪魔の妄想はいずれもパチュリーは受けなのである。

重要なのでもう一度言うが、パチュリーは受けなのである。

さて、視点を変えて、別のカップリングの可能性はなかったのかを考える。以上の三組以外にもパチュリーを含むカップリングは存在しているはずだが、小悪魔はなぜこの三組を選んだのだろう。紅魔館の住人の関係を整理して考えてみる。

パチュリー総受け!
パチュリーを取り巻く人妖関係図

上の画像は、私が独断と偏見で整理した関係図である。小悪魔の妄想に登場する人物にプラスアルファしてみた。

見えてくるカップリングはレミパチェ、フラパチュ、めいパチュの三組。

レミパチェについて。パチュリーはレミリアに対して、紅魔郷では「お嬢様」呼びだったが、妖々夢エンディングでは「レミィ」とフランクな呼び方をしている。レミパチェがどのような関係であるか明言されていないが、三月精や儚月抄といった作品での絡みを観れば親密な友人のように思え、上下関係というよりは対等関係に近い。一言で表すなら「友人」の関係。

フラパチュについて。フランドール自体あまり出番がないのもあって、紅魔郷EXの際の「妹様」呼びしか原作より拾える接点がない。危険な存在への畏怖を込めて様付けなのか?外に出ようとしたフランドールをパチュリーが雨を降らせて対応していた描写があるため、フランドールにとってパチュリーは煩わしい存在なのかもしれない。不明な点が多いが、レミパチェありきで考えて「友人の妹」×「お姉様の友人」といったところか。

めいパチュについて。これも非想天則くらいしか絡みがない。美鈴はパチュリーに対して様付け。パチュリーからすれば、ネズミに侵入される理由は門番が機能していないためということから、美鈴に対して良いイメージは持ってなさそうだ。アウトドアとインドアの対比関係という点ではカプ的に美味しいか?これも不明な点が多い為、無難にレミリアとの関係を足掛かりに美鈴から見たパチュリーは「雇い主の友人」といったところか。

以上を踏まえて、小悪魔の妄想と比較していこう。

・レミパチェは友人同士で対等関係、小悪魔の妄想に登場した三組は名目上パチュリーの立場が上となるため少し毛色が違う。

・フラパチュは「妹様」という呼称からフランドールが目上の可能性があるが、それはあくまで紅魔郷時点の呼称であるため「お姉様の友人」として対等に近い関係の可能性もある。いずれにしても、レミパチェと同様に小悪魔の妄想に登場した三組とは少し毛色が違う。

・めいパチュは「パチュリー様」という呼称からパチュリーの方が立場が上。そういった点では小悪魔の妄想と近いものがある。アウトドアとインドアの対比関係は、マリパチュのそれに似ている。動かない大図書館を外に連れ出す感じ。

まとめていくと、小悪魔の妄想に登場するパチュリーと誰かの関係において、その誰かに対してパチュリーが目上となる場合が多く、妄想の内容は総じてパチュリー側が受けとなっている。別の可能性として、小悪魔の妄想に美鈴が相手として登場することもあったかもしれない。

妄想の中でパチュリーが目上のカップリングが登場している理由は、やはり小悪魔自身がパチュリーの下僕であるからなのだろうか。

以上、「パチュリーは受け」という事をいいたかっただけの小話である。


◇ブックレット

表面。右から<<従者と客人>>、<<後輩と先輩>>、<<下僕と主人>>と並んでいる。画風はウ〇ナ風の少女革命的シルエット。

裏面。胸のはだけたパチュリー・ノーレッジ、ふともものガーターベルトがとてもセクシーだが、このパチュリーは小悪魔の妄想。羽ペンを手に主人を題材にした妄想小説を綴っている小悪魔。その背後には本を構える怒りの主人が・・・。

本で殴るパチュリーは緋想天などの弾幕アクションゲーム等で見ることができる。しかし、あの6Aの吹っ飛び方は魔法で強化しているのか、とても非力とは思えない。小悪魔「片手でなければ即死だった」。

弾幕はパワー
パチュリーの打撃力参考

アルバム『密』の特徴は、歌詞カードがバラバラに一枚ずつ分かれている点がある。そして表面と裏面で趣が違い、それぞれ秘密が守られた状態秘密が暴かれた状態となっているのが最大の特徴だ。守られた側はウ〇ナ風の面、暴かれた側がセクシーな面というのが私の解釈。

イラストは『綜纏Vol.4 四百四描』に収録。


◇雑記

何を隠そうこのブログ自体が妄想の垂れ流しであるからにして、「妄想の中にとどめておけばいいものを・・・。」という概要の一文はどの口が言えたことかと投げたブーメランが自分に刺さって非常にアレという話である。

妄想を形にするという行為。しかも、ラブロマンスな妄想小説に自分を登場させる事はなかなかの業の深さである。多感な時期にクラスの誰かさんとラブロマンスな妄想をした覚えのある方も多くいるのではないだろうか。しかし、秘密のノートに小説を書くなど何か形にしたかと問うてみれば、あまり多くはいないだろう。怖いもの知らずの心、行き場を失った熱量を持つ者ならばおそらく形にすることが可能だったのだろう。

『我が愛しき密室少女に寄せて』というタイトル。このタイトルの”密室少女”の部分をあなたの好きな何かに置き換えてほしい。

『我が愛しき    に寄せて』

こうすると、あなたの妄想小説のタイトルができてしまったわけだ。

でも、ペンを握るなら用心してほしい。

あなたの背後に    が、本を構えて立っている可能性を忘れてはならないのだ。

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